4月8日(月)
イオ、まだ37℃以上あるので保育園おやすみ。機嫌がいいので、自宅でなんとかなりそう。かわりにじゅんちゃんが38℃に。いちにちケアの日。
4月9日(火)
イオ復活して、保育園を今日から3時間。
お昼、丸亀製麺のうどん弁当。えび天のとかしわ天のを買ってきて、じゅんちゃんに選ばせるとえび天を選ぶ。いつものことだがそうなるとぼくは、えび天のほうを食べたくなってくる。
体ぜんたいが重くてぐったりしているが、ハマスタへ。たねさん、とんかつさん、じゅんやさん、しょうぶさんと、スカイバーカウンターというビールサーバーつきの席。前にも誘ってもらってい一度体験しているが、この世でもっとも天国に近い場所のひとつだと思う。コロナぶりなので、スタジアムで野球を見ること自体が4年ぶり。野球場自体が世界でもっとも天国に近い場所のひとつなので、ここは天国の中の天国みたいなところ。ビールを上手に今回も注げない。そのこと自体が楽しい。
途中からしょうぶさんの友達のりほさんも参加。生で野球を見るといつもおもうことだが、野球というのはこんなにもおもしろく、そしてそこで起こっているあらゆる物理運動の速度、音、が、自分たちのしている野球とはまったくの別物で、その途方もない力量の差がこんなにも胸の奥を熱く、うれしくさせてくれるということ。
崎陽軒のなにかを買おうと思って、とんかつさんに「シウマイ焼きそばがいいかな」というと「おれはシウマイチャーハン。シウマイに醤油をかけると、それが少しチャーハンに染みて、その部分がおいしい」というから、同じのにする。シウマイ自体をとんかつさんとじゅんやさんが事前に買っていて、その他、やきとり、枝豆などをシェアする。しょうぶさんが、小さなじゃがりこやおつまみのスナックをポチ袋に入れたのを人数分用意していて「これおつまみにどうぞ」といって配っていて、さいこうの準備だな、今度やろうと思った。
ドラゴンズは勝って、それはうれしいんだけど、本気のベイファンふたりがいるからうまく喜べなくて、そういえば前にこの席に来たときも同じだったことを思い出した。時間があったのでとんかつさんの案内で、中国東北地方のお店へ。紹興酒を久々に飲む。久々の仲間たちの中、はじめましての人も混ざっているから、それぞれの境遇を含めた話をしているとどんどん楽しく、またしゃべりたりないような夜。
4月10日(水)
ゆら帝の千代さんが亡くなったとの報。昨年から訃報が続く。とくにミュージシャンに多い気もする。はじめてゆらゆら帝国を聞いたのは、怪獣のイラストがピンクの背景に書かれているジャケのアルバムで、1曲目が「グレープフルーツちょうだい」2曲目に「発光体」が入っていたから、あれはベスト盤だったのかもしれない。
大学1年とかで、渋谷でだれかと待ち合わせをしていて、たぶん早くついたのだろう、タワレコでも行ってみようと思って邦楽ロックのコーナーの試聴機を見たら見つけて、ジャケにひかれて聞いてみたら完全にノックアウトされてその場で買ったのだった。出会うのは遅めだったけど、すぐに振り返って聞いて、いろんな人との会話の起点になっていった。
4月11日(木)
今年度はじめての授業の日。44名の学生がいて、教室定員を超えているから初回の今日だけ場所を変えて選抜することになった。選抜は苦手だ。受けたいというひとを選ぶような立場にないと思うし、そもそも来てくれるひとは全員招き入れたい。それに大きな教室のほうが設備もよくって、居心地がいい。
けど、演習形式の授業で40人以上はたいへんに厳しい。泣く泣く選抜を伝え、少しでもミスマッチが減るよう、それなりに厳しい授業だということを強調しつつ、この半年やっていきことを、おもしろく紹介することに全力を注ぐ。授業終わりに「パソコンほとんど触ったことないんですけど、大丈夫ですか」という1年生が複数やってきて、とうとうそういう時期に入ったか、と思う。
終わって、小諸そばで春の天ぷらそば。サクラマスと桜エビの天ぷら、というのが粋だと思う。川と海の春だし、サクラマスは遡行しているから、両方の春をつなぐ存在だ。
4月12日(金)
このところ、ずっとすぐにお腹がすく。ストレスを脳がまぎらわせるもっとも簡単な手段、だときっと思ってて、それがくせになっている感じ。11時半、保育園のお迎えに合わせて、買いもの。これまでスパイスでカレーをつくっていた種さんが、子どもが生まれてからルウも使ってるよ、といっていたのを思い出して、久々にルウでカレーがつくってみたくなりカロリーハーフのジャワカレーの中辛を買ってみる。320円くらい。
保育園から電話。O先生は声が小さく聞き取りにくいだけでなく、考えてからしゃべってないような話し方で何が伝えたいのかわかりにくく正直困っていたけれど、電話ではじめて話していてそれが恐らく吃音に由来していることに気づいた。こちらの意図を明確に伝えてスムーズな会話を促すよりも、まず相手のターンが終わるまで傾聴に徹しようとすると、今まででいちばんいい会話ができたのではないか。来週から15時まで預かってもらうことに。
4月13日(土)
6時過ぎに起きて、さてどうしようかと悩んでいた。今週の熱が出はじめたあとからか、ほっぺと首元に湿疹ができる。それが昨日、いちだんと赤く、かゆそうにしていた。10時に小田原に到着するには8時前に出ていたい。この症状で楽しめるだろうか、という不安もあるし、それにアレルギーだとしたらと思うと心配。けっきょく横田さんにごめんなさいをして、今朝やっている病院にいくことに。
アレルギーではなく、様子見、前にもらった軟膏を塗るといい、といわれぬればすぐに治まってよろこびながら母に報告すると、かなりステロイドのレベルの高いくすりで、赤ちゃんにそれといわず処方するなんて、と怒っていた。次から別のクリニックにして、行きつけの相談できる薬局をつくろうということになったが、いい薬局とははたしてどうやって見分けをつけてゆくのだろう。
家事もなにもかもやる気がでない、そういう自分がいやだなあと今週ずっと思っていたけれど、予定がなくなってみてはじめて、ふたりともかなりぐったりと疲れ切っていたことに気がつく。なにもしなくていいことって、たのしいね、といいあいながらだらだらし続けるだけの1日。今日も『富士日記』を読む。読み続けられてしまう日記、これはすごいこと。
4月14日(日)
だらだらした結果、何かがチャージされたのかなかなか寝つけず2時くらいまで意識があった。7時に起きて朝からUFC300をつけながら育児のさまざまのことをしてゆく。アーリープレリム1試合目からフィゲイレードとガーブラントの試合だなんて、くらくらする。ファイトボーナスが今回5万ドルから30万ドルに格上げされていて、これは記念大会だから。日本円だと4500万円くらい。そのせいもあるのか、アグレッシブな試合が多くて、のどごしのいい飲みものをするする飲んでしまうように試合が進んでいった。ホロウェイ、ゲイジーの試合のできすぎ感。テンションは上がりつつ、自分の格闘技の好きな部分はここではないのだろう。
午後、ながいさんとお茶。外は世界がとくべつにくれた宝物のような気候。1年でいちばん好きな時期。けやき並木を見上げると、葉のひとつひとつがぱっぱと、手を伸ばすような広がりかたをして輝いてみえる。神社のはすむかいのカフェで、びんのようなのに入ったアイスコーヒーを飲む。そんなにおいしくない。イオは気候がいいからか機嫌が良い。おわかれしたあと小腹がすいて、マックでポテトとコーラを買って、並木を見上げながら食べた。
マックのポテト、タイミングで当たり外れが多すぎて、今日のはがっかりするくらいおいしくない。これが同じ値段で販売されていることに、すこし納得がいかない。おいしいときのタイミングに空腹がかさなると、子どもの時にマックを食べることを心待ちにしていたときの気分が思い出せる。あれを思い出すために、食べているような気もする。
今日から夜の番に戻るため、残っていたカレーを食べて、20時にふとんに入る。寝る前にInstagramを見ていたら、ついこのあいだ子どもが生まれたというけいてんのストーリーズに渋さ知らズのライブの模様が映っていた。『本多工務店のテーマ』のピークで、はっぴをきたあの人が呷り、ダンサーが揺れ、サックスがいななき、不破さんがこちらを振り返った。生きていること自体への祝祭だ、祝祭だ、と思ったところでさめざめと涙が出て、胸の奥からククッという音が漏れた。
イオ、22時すぎ、3時と2回起きた。おむつとミルクをするとこちらの目がさえてしまい、なかなか寝つけない。新生児期によくつかっていた、クリップ式の読書灯をオレンジいろにひからせて(オレンジが選べるのはいいが、これはちょっと仰々しいオレンジで、もう少しやわらかくしてほしかった)、『富士日記』と『富士日記を読む』を読む。後者、いろんなひとの百合子さん評を読んで、すこし泣く。