武田俊

2021.1.3

空中日記 #033|知恵の輪と柔術

11月23日(月)

オンプラ、ゲストはCuusheさん。
その昔、ぼくが学生CGコンテンストの評価員を担当してた頃、何百という候補作の中でぴかぴかに輝いていたのがシシヤマザキさん、久野遥子さんだった。その時の久野遥子さんの応募作であり卒業制作だったのがCuusheのこのMVだった。

その当時、ベルリンのアーティストという情報しか知らなくて現地の方だと思っていたのがまさか日本の方で現在は京都をベースにしているということでゲストに来ていただいた。話していると、上述の作品は久野さんから連絡がきて制作に至ったということで驚いた。自らアーティストに連絡して卒業制作でアニメーションをつくる学部生の熱量、自分の学生たちにも伝えたい。

今日も千葉雅也さんのTwitterが力になった。

11月24日(火)

久々に新宿のオスローバッティングセンターに行ってみたら大改装されていて、平行世界に来たよう。無料の貸し出しバットコーナーには、ZETTのバトルツインが2本あるというほど。その2本ばかり打痕が残っていて笑った。インバウンド狙いでの改装だったのかなと思って、新宿バッティングセンターから乗り換えてしばらく応援することにする。

そのあと紀伊国屋に出かけてフロアを行き来しながら、2万円ほど購入。月に1度これをやるのは本当に楽しい。持てる限りの本を買ってホクホクと帰宅。新宿のこのコース毎月やろう。やけ買いするなら本に限る。本は積んでいるだけでも価値がある。

11月25日(水)

昨日買った木下龍也『天才のよる凡人のための短歌教室』を読んで、その熱量にまんまとあてられる。

夜、初めてのブラジリアン柔術を体験するためにリバーサル代々木上原へ。数年会っていなかった渋さんから「習っている柔術の先生がすごくて、ぜひ武田くんに引き合わせたい」ということで飲みをご一緒させてもらった。

尾崎さんは大学では仏文をやっていて、高校まではラグビーでスクラムハーフ、今はブラジリアン柔術のトレーナーをしながら小説を書いていて、この間新潮ミステリー大賞を受賞して年明けに小説家デビューなんて聞いたらそりゃ誰だってご一緒したくなる。飲んで話してたらお料理も好きだしゲームもすごく詳しくて、ゲームって今一番新しい形でナラティブを体現させられる文芸なんですって話で盛り上がってぼくは握手までしてしまった。それでその場で柔術やってみようということになったのだった。

それで体験クラス。道着は渋さんが「これしばらく使ってていいよ」と言って貸してくれたPolarisの紺色のもの。ずっとMMAは見てきたらから基本的なポジショニングはわかっているつもりだけど、柔術はさらにずっと細かいのだという。キムラロックを起点にしたパスを教えてもらうも、知恵の輪が複雑に絡まっているようで、空間認知の得意でない脳がプスプス言う。

それでもスパーリングでは基礎知識だけでやってみた三角絞めなどが、あとちょっとで入りそうになるも防がれてしまった。課題は体力の運用。常に全力を出していて、5分持たずに酸欠で頭痛がしてくる。しかしめちゃくちゃにおもしろい。即入会決定。スキルツリーを育てていきたい。

11月26日(木)

SCCのおそらく今季最終戦?という感じの試合。世田谷公園でにゃんにゃんタイガースさんと。朝のひかりが美しかった。ぼくは初の4番セカンド出場も、3打数無安打1出塁1得点。でも走塁面でいろんなことが試せた気がする。助っ人に強豪、浜田高校、青森山田高校出身の若者たちがいてほれぼれする。体が自在に動くって、本当に美しい。

移動中、趣味に柔術が加わったなあと思いながら考察。

自転車の鍵を忘れていったんタクシーで帰宅して、戻るって無駄なことしてしまう。でも帰り道に自衛隊車両を見られた。

野球と柔術にかまけていたら明日の授業の用意がおろそかになってしまい、夜中まで作業。

11月27日(金)

福谷の契約更改保留の理由が素晴らしかった。

まず1つ目に「僕は今年、結果的に8勝できたが、野手の人やリリーフの人に助けてもらった。運が良かった。祖父江、阿部、木下、福、(高橋)周平、京田の6人には満足いく評価をしてほしいと伝えました」と白星を援護してくれた野手や救援陣の評価方法について尋ねたという。

2つ目に「査定にどこまでチームの方針が反映されているのか分からなかった。監督やヘッド、コーチが選手にこんなところを求めているといいうのが分かった方が良いと伝えました」と球団、首脳陣が一体となったチーム作りの上での査定を求めた。

そして3つ目は「(春季キャンプの)読谷で(ドラフト1位)石川昂と同じ部屋だった。彼らを本当に尊敬するし、4年後5年後、中心選手になった時に、シーズン後、皆が来年に向かって良いモチベーションになるほうがいいと思い、お伝えしました。今、来年に向けてチームがどうしたいか、入った方がいいのでは」と将来的なビジョンについて尋ねたという

Sponichi Annexより

自分への評価という点だけではなく、自身の成績を支えた野手や将来ある若手のためにも、評価基準やチームの方針を明示してほしいという意図。これって中長期的なチーム運営につながる視点。いい選手だなあ…。来シーズン福谷ユニフォーム買おう。

11月28日(土)

じゅんこと蒼凛へ。じゅんこは天そば、ぼくは天せいろ。久々に行くちゃんとしたお蕎麦屋さんで、香りがわかりにくくなる温かいお蕎麦を頼むっていうの全然理解できないけど、人それぞれなんだからいいんだよ、というのが近年やっとできるようになって成長w って思う。帰り道、尾崎さんにサミットの前ですれ違って、どういうわけかめちゃくちゃにうれしくなる。挨拶した後、小躍りしながらじゅんこに「あれが柔術の先生なんだよ!」とコーフンして伝える。

夜、じゅんこの快気祝いで父が送ってくれたとっておきの、グラスフェッドビーフのお肉でステーキに。にんにくをたくさんスライスして、それをたくさんのバターで香りづけし、両面時間を計測しながらていねいにていねいに焼く。

最後はアルミホイルに包んで予熱で。いんげんとほうれん草のバターソテーも作った。出来栄えは完璧。シンプルな料理をていねいに行って質的に向上させていくの、とても楽しい。

11月29日(日)

朝、急に絵が描きたくなって、じゅんこに画用紙とペンとマステを用意してもらって、アブストラクトに描く。楽しい。2枚描いて壁に貼った。

新しくできた魚屋・旬で安く売っていたウマヅラハギとりっぱなスルメイカを見つけたので買ってきた。スルメイカはまるまるとした肝が入っていたので、里芋と一緒にゴロ煮に。ウマヅラは薄造りにして肝醤油で食べた。期せずして肝がかぶってしまう。