武田俊

2022.1.13

書log: 『ぼくたちは習慣で、できている。』

著者:佐々木典士
版元:筑摩書房(ちくま文庫・増補版)
刊行:2022年1月8日
価格:858円(税込)

著者独自の視点、オリジナルな習慣の構築法というよりは、古今東西、さまざまな習慣に関する書籍から取り入れたノウハウや思考法を、著者が実践し、その経過報告的なまとめ方がなされている。かといって、読み応えがないわけではない。実践者のアクションとその思考が展開されていくが、その背景にたくさんの先行者の知恵が散りばめられている。その系譜を飛石のように追体験していくのが楽しい。著者がもともと編集者なのもうなづける、きわめて編集的な「集めて編んだ」本だ。

「代わりに読んで、先に実践しておきました」というような、いい軽さを持っているので、習慣と日課に関する本たちに直接アタックせず、まずこれを手にとって自分の日課をつくってみるのがいいかもしれない。なんせこれまでさまざまな習慣と日課に関する本を、あこれがを持って読んできたのに実践に移せなかったぼくが、あっという間に日課作りとその運用をはじめてしまったのだから、なんといってもこれは使える本だ。エピグラフのように引用されるたくさんの名言を眺めているだけで、ちょっとやる気も出てくる。読み終わる前から、自分でも実践したくなる。さっと読み終えてしまえるが、日課につまづいたときには、何度も読み返すことになりそうだ。ドーパミン分泌の話で、やたらセックスの比喩が出てくるのがちょっと笑ってしまった。